世界中には様々な非営利組織が存在しています。
こうした組織は利益を求めるのではなく、理想を追求して各国の政府や市民に対して問題提起を行い、世界をより良い方向へ変えていこうと呼び掛けています。
国連の中にあるユニセフや国連開発計画、国連児童基金、国連難民高等弁務官事務所など弱者のためにある組織もアドボカシー活動を積極的に行っており、政治が届きにくい子供や難民、病気を抱えている人や差別されている人々を保護するよう努力を続けている組織です。
時には経済的に救済するために現金給付支援を行うこともあります。
目次
少数派の権利を奪ってはいけない
民主主義においてこうした活動は非常に重要です。
民主主義の原則では多数決が基本ですが、だからと言って少数派の権利を奪ってはいけないとされています。
すべての人に基本的人権は保障されており、何人たりともそれを取り上げてはなりません。
しかし世界は不条理なもので、権力や財が一部の人だけに集中してしまうことも多く、少数派の存在を蔑ろにされてしまうこともあるのです。
民主主義国は法の下で平等を保護し、少数派の独自性や慣習、宗教や言論の自由を守らなくてはなりません。
アドボカシー活動は間違った方向に進もうとする政治や世論に呼びかけを行い、良心に基づいてその方向性を是正させることを目的としています。
ロビー活動団体
日本ではあまりありませんが、アメリカではロビー活動団体というものも存在しており、これもアドボカシー活動の1つであるとされています。
ロビー活動を行う人のことをロビイストとも言い、映画の題材にもなるほどメジャーなものです。
ロビー活動はある法案の決議に影響を及ぼすために、政治家や裁判所、地方政府などに直接働きかけたり、新聞やテレビなどのメディアを通して世論を動かそうとします。
政治家は世論をとても気にするものですので、世論を大きく動かすことができれば票も左右でき、ロビイストの狙ったように票を動かすこともできるのです。
アメリカにおけるロビー活動は経済的な利益を求める部分も多く、すべてが弱者のために行われているものではありません。
企業と癒着している団体も多く、法案が企業にとって有利になるように働きかけたりもします。
アドボカシー活動はこうした利権に絡んだ提言ではなく、もっと純粋に弱者のためになるような活動のことを指します。
アドボカシー活動を行っている団体
現代社会では世界中でインターネットが発達し、海外の情報も簡単にネットで見れるようになっています。
最新の情報はテレビよりもSNSのほうが早かったり、テレビにおける信頼性の低下もあり、インターネット上での活動は今後ますます重要になってくることでしょう。
アドボカシー活動を行っている団体は1つの国の政府だけでなく、もっと多くの国や地域に影響を出そうと幅広く活動を行います。
国際社会を大きく動かすためには、より多くの世論が必要なのです。
市民に対して団結を促すこともあります。
独裁的な政治が行われている国々
しかし世界には民主的な国だけではなく、21世紀に入ってもなお独裁的な政治が行われている国々も存在します。
そうした国々では弱者は圧政を受けやすく、中国のように他民族に対して非人道的な対応を取っている国もあるのです。
そのような国では弱者は声を上げることもできません。
世界には民主主義国に居ながらにしても声を上げることができない人たちが多数おり、アドボカシー活動を行っている組織はこうした弱者の代弁者とも言えます。
団体の資金源について
世界各地にあるこのような団体の資金源はどのようになっているのでしょうか。
営利を目的としていない団体にとって、活動資金を集めることは難しく、課題でもあります。
社会に求められている期待に応えるためには、非営利団体だとしても一定の資金力は必要になるのです。
各国の政府や国際連合からの助成金を受けているところもあれば、Webサイトなどで寄付を募っている団体もあります。
日本は比較的こうした活動への資金搬出を多く行っており、連携している国際協力政策はたくさんあります。
その背景にはこれらの活動のその延長に、国益につながる何かがあると考えているためです。
貧困や紛争、宗教や民族の差別など様々な問題
普段生活しているとあまり感じることは少なくても、世界には貧困や紛争、宗教や民族の差別など様々な問題があり、幸せに生きている人たちだけではありません。
通信や交通が発達して世界がより身近になった現代では、一般市民も世界の問題に注目し、声を上げていく必要があります。
世界には放っておけない問題も多く、多くの人がその問題のことを知って興味を持つことが大切です。
声を上げたとしても一人ひとりの声はとても小さいものです。
しかし同じような活動をする人が多くなれば、大きな力となり、それが社会的弱者の将来を救うこともあるのです。
まとめ
もし将来自分たちが社会的に弱者となってしまったとしても、そのようにして声を上げてくれる存在がいれば、少しは未来に期待が持てるかもしれません。
明日は我が身、こうした活動は人ためではなく、いずれ自分に返ってくるかもしれないのです。
関連リンク
・日本ユニセフ協会大使を務めたアグネス・チャン
最終更新日 2025年6月13日 by panda