有馬温泉、名前は聞いたことがあるけれどもどこにある温泉であるのか知らない人も多いのではないでしょうか。
この温泉は、兵庫県神戸市北区有馬町にある温泉郷の名称で、日本三古湯の一つに数えられるものです。
日本三古湯の文字を見たとき、古くから存在するものであること三の文字があるので、日本の中で古くから存在する温泉の3つの中の一つである、このような連想ができますよね。
日本三古湯は古くから現存する温泉ではあるけれども、このような温泉は日本の中に無数に存在しているわけで、有馬温泉がなぜベスト3のような存在になっているのが気になる人も多いといえます。
日本三古湯には2種類の選出の仕方が存在している
ちなみに、日本三古湯には2種類の選出の仕方が存在していて兵庫県の有馬温泉と愛媛県の道後温泉はいずれも三古湯に含まれます。
しかし、和歌山県の白浜温泉や福島県のいわき湯本温泉は選ばれ方により登場するか否かが異なるのです。
その選ばれ方とはどのような考え方に基づくものであるのか、といったことになるわけです。
2種類の選出方法の共通点はいずれも長い歴史を持っていることです。
開湯伝説の中では神話の時代から続いているといわれているところが選出のポイントになっていて、日本書紀や風土記などに登場する場所、延喜式神名帳に登場する場所の2種類が存在します。
日本書紀や風土記に登場する温泉には和歌山県の白浜温泉が含まれるのですが、延喜式神名帳に登場する三古湯には福島県のいわき湯本温泉が含まれるなどの違いがあります。
日本書紀は、奈良時代に成立した日本の歴史書で養老4年(720年)に完成したのではないかと伝えられているものです。
風土記も奈良時代に地方の文化風土・地勢などを各国ごとに記録して天皇に献上を行った報告書で、日本書紀と同じころに運用が行われていたものです。
延喜式神名帳は延長5年(927目m)にまとめられたとされる延喜式の巻九および巻十で、この時代に官社として指定が行われていた全国の神社一覧を意味します。
これらの製作年度は若干の違いがあるけれども、これらの書物に記載が行われていた温泉ですから、その歴史はとても長いことが明確ですよね。
林羅山の日本三名泉および枕草子の三名泉の一つにも数えられている
温泉は、マグマ熱により地下水が温められ地上に噴出するお湯そのもの、地下水が枯れてしまえば温泉は噴出できなくなる、日本の中にはかつて存在していた温泉も無数にあるわけですが、有馬温泉などのような三古湯は1,300年以上前から存在し続けているなどの特徴もあるわけです。
日本三古湯の一つであると同時に、林羅山の日本三名泉および枕草子の三名泉の一つにも数えられているといいます。
これ加えて江戸時代の温泉番付では最高位に値する西大関にも格付けされているなど、このような歴史がある温泉であることを把握して訪れるのも楽しみの一つになるのではないでしょうか。
温泉番付は、温泉地を大相撲の番付に見立て格付けしたもの、初めて作られたのは江戸時代の寛政年間で当時は歌舞伎役者の人気を番付したものが流行していたようです。
温泉の番付においては効能の高さを基にランキングが作られているといわれていて、温泉番付には効能そのものが記されていたものもあるといいます。
有馬町の特徴
この温泉がある有馬町は、活断層でもある有馬・高槻構造線が分布していて透明度が高い断層破砕帯が流路となり温泉水が噴出している環境を持つ、東西走向の断層から低温の温泉水が噴出し南北走向の断層から高温の温泉水が噴出しているなどの特徴を持ちます。
ただ、それぞれの噴出口から出て来る温泉水は無色透明で、これが空気に触れることで着色されるなどの化学変化も特徴の一つになっています。
吹き出し口により塩化物和泉と透明な温泉の2種類が存在している、塩化物泉は赤湯と呼ばれることもあるようですが、この地の温泉旅館協同組合の登録商標では金泉と銀泉の名称が使われているようで、この名称は江戸時代には存在していなかったものです。
銀泉の場合、源泉により成分が若干違いがあるけれども基本的には炭酸水素塩泉とラジウムを多く含んでいる放射能泉に分けることができるといいます。
放射能泉と聞くと体に害がありそうなイメージを持つ人も多いかと思われますが、療養泉としての役割があり病後の療養の際に有効なものです。
放射能泉は、ラジウムやラドン、アスタチンや水銀など原子核崩壊により放射性同位体が含まれるもので、有馬温泉の源泉に近い場所では13マイクロシーベルト/時を被爆するようです。
数字を見てもあまりピンと来ない人も多いかと思われますが、この数値は原子力安全委員会の中では屋内への退避が求められるもしくは推奨される被爆量でもあり、簡単にいってしまえばかなり危険なレベルです。
まとめ
しかしながら、有馬温泉の放射能泉は体への影響は一切ない、ホルミシス効果により免疫細胞が活性化するので積極的に被爆をすることで健康な体になる、このような説を唱える人もいるとか。
最終更新日 2025年6月13日 by panda